【美容家監修】乾燥小じわに効く30代ケア対策と化粧品選びポイント
20代の頃はアンチエイジングと聞いてもいまいちピンと来ず、あまり意識せずに普段通りメイクやスキンケアをしてきたことと思います。
時には、仕事や育児の忙しさからたまにはいいかとメイクをしたまま寝てしまうこともあったかもしれません。それでもお肌はまだ若いので見た目にお肌の老化を感じることはなかったことでしょう。
ところが、30代に差し掛かるにつれて『表情が冴えない』、『なんだか疲れた顔をしているなぁ』と感じることが増えてきます。
そしてそんな時に一番最初に目に付いてしまうのが乾燥小じわです。
乾燥小じわは30代以降少しの乾燥でもすぐにできてしまうようになり、細かくたくさんできるのでお肌が老化したと一気に感じる原因になります。ここでは、そんな乾燥小じわの原因や対策方法、そして化粧品を選ぶときのポイントなどをご紹介します。
春名 文(はるな あや)
・日本化粧品検定2級
Contents
乾燥の原因は何?
2つの要因とは?
乾燥小じわというくらいですから、小じわの原因が乾燥であることは明確です。
では、乾燥は一体なぜ起こるのでしょうか。
乾燥には大きく分けて2種類の要因があります。1つは私たちのお肌の外側から起こる外的要因、もう1つはお肌の内側から起こる内的要因です。まずはこの2つの要因をご説明したいと思います。
乾燥の外的要因
外的要因は主に紫外線とエアコンなどの空調機器です。
まず紫外線にはお肌の表面に炎症を起こすB波とお肌の奥まで届いてコラーゲンなどを破壊するA波の2種類が主にあげられますが、どちらもお肌を傷つけていることに変わりはありません。傷がついたお肌からは内側の水分がどんどん蒸発してしまいます。
空調も同様にお肌の水分を奪います。
お肌の一番上には汗と皮脂から作られた『皮脂膜』というお肌の水分を守るお鍋の蓋のような役割のものがあります。これは水で洗い流されたり、一時的であれば乾燥させられてもまたすぐに作られるものですが、何時間もエアコンに当たっていると作られる間もありません。
その機能はもちろん低下し、お肌の奥の水分は出て行ってしまいます。
乾燥の内的要因
内的要因は思わず耳をふさぎたくなりますが、主なものは加齢です。そして睡眠や食事などの生活習慣もあげられます。
先ほど外的要因でお話したように、お肌を守る機能は汗と皮脂で作られていますが、年を重ねるとこの2つの分泌量は低下してしまい、それにともなってお肌を守る機能も低下します。
なので、ターンオーバーが遅れがちになると、お肌の水分も作られにくくなってしまうのです。
続いて生活習慣もちょっと目をそらしたくなる方もいるかもしれませんね。でも、お肌を作る一番の素は食事と睡眠ですから気を付けましょう。
お肌を構成するために必要な栄養素はタンパク質と良質な脂質、ビタミン類です。このどれかが欠けてしまうと、新しい綺麗なお肌が作られず、先ほどのターンオーバーがうまく行われなくなってしまいます。
ダイエットのためにお肉や油ものを一切摂らないなど極端な食事や、調理がめんどうで野菜や果物がおろそかになっていてお肌はどんどん乾燥してしまいます。
また、睡眠中に分泌される成長ホルモンがお肌のターンオーバーを促すため、睡眠も大切です。睡眠時間ももちろんですが、睡眠の質が悪くなると成長ホルモンは分泌されません。
お酒を飲んだあとなどは眠りも浅くなってしまうので、お肌の乾燥が続いているなと感じるときは睡眠の妨げになるものは控えると良いです。
乾燥すると小じわができるのはなぜ?
保てていますか?
では次に、乾燥小じわと言われていますし、乾燥すると小じわができるとどの化粧品メーカーもこの2つを結び付けているので当たり前のように感じていますが、なぜ乾燥すると小じわができるのでしょうか。
ここではそのメカニズムをお話したいと思います。
小じわができるメカニズム
乾燥して水分がなくなったお肌は弾力性がなくなり固くなります。
これと同様に、お肌も固くなると瞬きなどの筋肉の動きだけでしわがつきやすくなってしまうのです。ですから、小じわは最も良く動かす目元、口元にできやすいのが特徴です。
表面の水分が失われたことによる乾燥小じわはちりめんじわと言って細かいものが多いですが、紫外線などにより弾力のもとであるコラーゲンを破壊されてしまうと、お肌の奥の細胞の並びも悪くなり、内側がゆがんでいると、それが表面にちりめんじわよりも深いしわとなって現れます。
自分でできる乾燥小じわ対策ケア
乾燥から守る
小じわができたからと言って慌てる必要はありません。
お肌の老化を止めるのは難しいとしても、一番の原因は乾燥なのですから、対策は簡単!保湿をすれば良いのです。お金をかけて何かしなくても普段のケアにひと手間かけるだけで対策できますよ。
徹底的に保湿
化粧品の選び方は後でご紹介しますので、ここでは自分でできる『ひと手間プラス』のケアを簡単にまとめてみました。
②乾燥がひどい時は化粧水で5分ほどパック
③お風呂から上がったらすぐにスキンケア
①保湿といえば化粧水のイメージを持たれる方も多いと思いますが、化粧水だけ使っていてもお肌の水分を守る機能が低下してしまっていては、水分だけの化粧水を与えてもまたすぐに蒸発してしまいます。
②乾燥があまりにひどいと感じる日は、一度お肌全体に化粧水を付けた後、化粧水をコットンに浸し、乾燥を感じるところにぺたっとはり、さらにラップでカバーすると湿度が保たれ保湿効果がアップします。
③これも大切なポイントですが、お風呂に入った後はお肌が良い湿度に保たれているので、この湿度を逃がさないように手早くスキンケアを行いましょう。
お肌を乾燥から守る
保湿をすることももちろん大切ですが、乾燥から守ることも大切です。次は乾燥からお肌を守る方法をまとめてみました。
②部屋の湿度は50%以上に保つ
③クレンジングと洗顔は丁寧に行う
①乾燥の原因でもお伝えしましたが、乾燥を防ぐためには紫外線対策は必須です。今はわざわざ日焼け止めを塗らなくてもファンデーションや下地クリームにも紫外線防止効果のあるものがほとんどです。
②赤ちゃんがいるおうちには湿度計があるかもしれませんが、湿度計がおうちにあることは少ないですよね。お肌や風邪予防のために置いても良いですし、スマートフォンなら湿度を測れるアプリなどもあるので活用してみてください。
お肌にとって良いとされている湿度は60%くらいで、風邪のウイルス感染のリスクも同様に60%くらいから下がります。あまり湿度を上げ過ぎると部屋のカビの原因になったりするので気を付けましょう。
③クレンジングや洗顔は疲れ切った一日の最後やバタバタする朝に行うのでついゴシゴシ洗ったりささっと終わらせたりしてしまいがちですが、摩擦はお肌の表面を傷つけ中の水分を蒸発させてしまいます。
小さい子供がいる方はなかなか難しいかもしれませんが、こすらずにお湯で落ちるタイプのマスカラやアイライナーなどに変えてこすらずにそっと触れてメイクを落としてください。
乾燥小じわケア化粧品選びのポイント
毎日きちんとケア
乾燥対策として一番気になるのは『どんな化粧品を使うべきか』ですよね。
化粧品を選ぶ際、今からご紹介する内容とは別に、一つ気を付けていただきたいことがあります。
それは『継続して使う』ということです。
美容部員時代にも経験しましたが、基本ケアしか使わないけれど毎月必ず買いに来られるお客様と、お店で一番人気の高級クリームを口コミで買いにきてそれ以降いらっしゃらないお客様とでは、前者の方の方が年齢が上でもお肌はシワもほとんどなくとても綺麗でした。
口コミで内容がとても良く、小じわ対策のためだ!と少し高めの化粧品にトライしてみてももったいなくてなかなか使えなかったり、ちょっとずつしか使っておらずそのうちに眠らせてしまうのでは意味がありません。
乾燥から小じわまで発展しているわけですから、少し保湿したくらいでは間に合いません。ご自身に合ったご自身のペースで毎日きちんと目安量を使える価格と品質で選んでいただくことをおすすめします。
お肌に合うものは絶対条件
先ほどお伝えした通り、毎日継続して使える化粧品となると、絶対条件は『お肌に合うこと』です。
保湿することを目的として作っている化粧品ではお肌トラブルになることは少ないですが、それでも初めての化粧品は心配だと思います。
お店には必ずサンプルが用意されているので、『パッチテストに使いたい』と店員さんに伝えてみてください。サンプルがもらえたら実際に顔で試しても良いですし、二の腕の内側につけて実際にパッチテストを行ってみましょう。
水分保持力のある成分
ここからは成分のお話を少ししたいと思います。
お肌にうるおいを与える成分は保湿成分だけではありません。水分保持力といってお肌の中に水分を留めてくれる役割の成分も必要です。この水分保持力が高い成分の代表2つをご紹介します。
・ヒアルロン酸
まず、一つ目はセラミドです。
お肌の水分を保っている角質層、いわばダムのようなところですがその壁となる細胞と細胞の間を埋めている成分(細胞間脂質といいます)の50%以上を占めているのがこのセラミドです。
もう一つ重要な成分は有名なヒアルロン酸です。
こちらはコラーゲンなどのお肌の弾力を担う部分を支えているもう少しお肌の奥で水分を守ってくれる成分です。ベッドのマットレスを想像してみてください。スプリングのあるバネをコラーゲン線維とするとバネだけ何本かあってもその周りを一緒に支える部分がなくては平らになりませんよね。
化粧水、乳液、クリーム、美容液と使うアイテムのどの中に入っていても大丈夫です。この2つの成分をどこかで必ず取り入れるようにすれば、お肌の水分量はぐんとアップし、乾燥小じわの改善も早くなります。
保湿力のある成分
水分保持はもちろん基本的な保湿の役割のある成分もご紹介しますね。保湿剤として有名なこの3つは目にしたことがある方も多いと思います。
・グリセリン
・アミノ酸
BGにはブチレングリコールといい、多価アルコールというアルコールの一種です。
水溶性で水になじみやすく水分を吸着して集めるので保湿力の高い成分です。石油由来のものと植物由来のものがありますが、どちらも安全性が高く、刺激もほとんどない成分として認められています。
また、グリンセリンに比べてさっぱりとしたテクスチャなのでべたつきが気になる方にもおすすめです。
グリセリンも実はアルコールの一種です。
化粧品の成分ではエタノールをアルコール表記しますので、グリセリンはアルコール表記はされませんがアルコールが苦手な方は知っておくと良いと思います。
最後に上記の2つより保湿力という点ではランクは下がりますがお肌に対して万能な成分アミノ酸もおすすめです。
たんぱく質の原料にもなるアミノ酸は実はお肌のあらゆる部分の原料になっています。たとえば、弾力を支えるコラーゲン線維などもそうですし、お肌の水分と呼ばれているこの『水分』もほとんどがアミノ酸でできています。
ですので、敏感肌や化粧品かぶれを起こしやすいという方はアミノ酸配合の化粧品をトライしてみてください。
30代以降も美しいお肌でいるために
エイジングサインとして一番初めに私達のお肌に現れる乾燥小じわですが、しっかり保湿して対策をすればもう怖くありませんね。
30代に突入すると家事や仕事、子育てなどやることも多くどんどん忙しくなりますが、これからもずっと美しいお肌でいるために、時々じっくり自分のお肌と向き合っていたわるように優しく丁寧にスキンケアをしてあげてください。
お肌は普段のケアに必ず答えてくれますし、お肌が綺麗になると何よりも自信がついてより私達を輝かせてくれますよ。
春名 文(はるな あや)
・日本化粧品検定2級
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