【管理栄養士監修】妊娠中ストレスなし食事制限メニュー&レシピ
妊娠すると心身ともに様々な変化が現れます。
食欲もそのひとつ。
つわりが終わると、それまでとは打って変わって凄まじい食欲に襲われることも。つい食べ過ぎてお医者さんに体重増加を指摘された、という方もいるのでは?
ここでは妊娠中の体重管理の必要性や食事制限のコツについてご紹介します。
中井エリカ(なかい えりか)
・管理栄養士
・FP2級
Contents
妊娠中は適切な体重管理が大切
理想的な体重増加量
昔は「妊娠したら二人分食べなさい」といわれたものですが、現代は食べ物があふれた時代。
体重が増えすぎると母体の健康や赤ちゃんの発育に悪影響を与える恐れがあります。かといってやせすぎも注意。
無事に出産を迎えるために、妊娠中は適切な体重管理をすることが大切です。
体重が増えすぎるとどうなる?
妊娠中に体重が増えるのは自然なことですが、あまり増えすぎると妊娠高血圧症候群や妊娠糖尿病になるリスクが高まります。
妊娠高血圧症候群は以前は妊娠中毒症といわれたもので、高血圧と尿たんぱくの二つの症状をもとに診断されます。悪化すると母子の生命をおびやかすこともあります。食べ過ぎを防ぐだけでなく、十分な睡眠やストレスをためないことも予防につながります。
妊娠糖尿病は、妊娠中だけ血糖値が高くなります。胎児が育ちすぎたり、羊水過多や妊娠高血圧症候群を合併しやすくなります。
やせすぎにも注意!
近年では妊娠中の体重増加のリスクが強調されて、極端な体重制限をして低出生体重児が生まれるケースが増えています。
また、やせすぎは切迫流産や切迫早産を引き起こす原因にもなります。そのため妊娠時は適切な体重管理がとても大切になってくるのです。
まずは理想的な体重増加量をチェック!
自分の理想的な体重増加量を知るには、まず妊娠前の体重からBMIを計算します。
BMIとはBodyMassIndexの略で肥満度を表す体格指数です。妊婦は妊娠前の体重でBMI数値を出します。
BMIは、妊娠前の体重(kg)÷身長(m)÷身長(m)
で求めることができます。
例えば、160cm、50kgの人であれば
BMIは、50(kg)÷1.6(m)÷1.6(m)=BMI19.5となります。
妊娠中の体重管理の参考にしてください。
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ストレスのない食事制限のコツ
食事制限のコツとは?
妊娠中は体重が増えるのが自然なので、適切な体重増加量であれば問題ありませんが、もしそれ以上に増えてしまったら食事や運動で調節する必要があります。
とはいえ妊娠中は激しい運動はできないですし、つわりが終わって食欲がでてくるとつい食べ過ぎてしまうことも。ストレスなく体重維持をするための食事制限のコツをご紹介します。
バランスの良い献立を基本に
食事制限とはいえ、基本は「1日3食、バランスのとれた食事」です。
この食事のスタイルを基本として、調理法や食材の選び方を工夫してカロリーダウンをしていくのがよいでしょう。
調理の工夫でカロリーダウン
調理の際は油を使わずに調理する工夫をしてみましょう。
たとえば焼くときはフッ素加工のフライパンで焼いたり、一番良いのは「茹でる・蒸す」調理です。余分な脂肪を落としてカロリーカットできます。電子レンジ調理も手軽でおすすめ。高カロリーになりがちな揚げ物は控えたほうがよいでしょう。
肉は種類によってカロリーが違います。
なるべく脂身の少ない肉(ヒレ肉、赤身、ささみなど)を選び、脂身が多い肉は脂身を取り除いてから調理するとよいです。
料理のカサを減らさないようにするのもポイントです。
全体の量を減らしてしまうと満足感が得られず長続きしなかったり、間食が増えてしまう原因にもなります。こんにゃくやきのこ、野菜などの低カロリーの食材を上手に取り入れて、見た目にボリュームを出すと満足感を感じやすくなります。
間食を上手にとる
3食しっかり食べていても、妊娠中はどうしてもお腹がすいて我慢できないということもあるでしょう。間食はしてはいけないわけではないので、量や内容に気を付けて上手にとりましょう。
細かいお菓子などは小皿にとって食べると、食べ過ぎ防止になります。
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食事制限中の献立例
たっぷり食物繊維
先にもご説明した通り、食事制限中もバランスの良い献立が基本になります。
主菜・副菜の揃った食事は、妊娠中だけでなく産後も習慣にしていただきたい食事のスタイルです。その上で低カロリーを意識しつつ、見た目が貧相にならないようボリューム感を出すことを心がけましょう。
具体的な献立例をご紹介します。
ヘルシー食材&食物繊維の摂取を心がけて
【主食】しらたきごはん
【主菜】鶏むね肉ときのことほうれん草の甘酢炒め(レシピあり)
【副菜】ブロッコリーのチーズ焼き
【汁物】わかめと豆腐のお味噌汁
主食のご飯はヘルシー食材のしらたきを混ぜて、ボリュームを出しつつ低カロリーに。
主菜は低脂質・高たんぱくな鶏むね肉を使い、きのことほうれん草でかさ増し。きのこには食物繊維やカルシウムの吸収をよくするビタミンDが豊富。ほうれん草には鉄分やビタミンCが豊富です。
副菜は食べ応えがあるブロッコリーのチーズ焼きを。不足しがちなカルシウムも摂取することができます。汁物には食物繊維とミネラル類が豊富なわかめを加えました。
《おすすめレシピ》
■鶏むね肉ときのことほうれん草の甘酢炒め
【材料】二人分
- 鶏むね肉 1枚(300g)
- マイタケ1/2パック
- エリンギ1本
- ほうれん草 1/2パック
- 塩 ひとつまみ
- 酒 小さじ2
- 片栗粉 大さじ2
————-
★酢 大さじ1.5
★砂糖 大さじ1.5
★醤油 大さじ1.5
★和風だしの素 小さじ1/2
★生姜(おろし) 小さじ1/2
————-
サラダ油 大さじ1
①鶏むね肉は一口大にそぎ切りにする。
②酒と塩をふり、10分ほど置く。
③マイタケは石づきをとりほぐす。エリンギは長さを半分に切り薄切りにする。ほうれん草は洗って4センチ幅に切る。
④鶏肉に片栗粉をまぶす。
⑤フライパンにサラダ油を熱し、鶏肉を焼く。
⑥両面焼けたらエリンギ・マイタケを入れて炒める。さらにほうれん草も入れて炒める。
⑦しんなりとしたら★の調味料を加え炒め合わせて出来上がり。
まとめ
過度な食事制限は危険な場合もあります。
自己判断で始めるのではなく、まずは自分の理想的な体重増加量を知り、不安であればかかりつけの医師に相談することも大切です。
今回ご紹介した内容を参考に、ストレスなく妊娠中の食事を楽しめると良いですね。
中井エリカ(なかい えりか)
・管理栄養士
・FP2級
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